舞台裏に行くと、スタッフが右往左往していた。
「あっ!SAMURaiだ!」
「ちゃんとご飯食べれた?ご飯食べなきゃ力でないでしょ?大丈夫なの?」
「じゃあ、ちょっと今からチューニングしてもらっていい?」
とドタバタドタバタ……。
舞台にでてチューニングを始めるけど、私は水を見えにくい場所においてみんなのチューニングが済むまで、声の調子を整えるためにマイクなしで声をだした。
ステージから蒼が見える。
後ろのほうで頭が見えている。
すると、思いっきり息を吸い込んだ音が聞こえた。
「蒼ぃぃぃ~!!!前、空いてるから来いよぉぉぉ!」
拓斗だ。
スタッフがみんな拓斗を睨んだ。
けど、そんなもの気にしないように拓斗は笑っている。


