「蒼?蒼はご飯どうする?学校戻る?」
ライブ会場は食べ物関係は全く置いていない。
むしろ、飲食禁止だ。
でも、学校に戻れば出店をしてるので軽食だけど食べ物がある。
「ううん。俺も後でいい」
蒼は目を細めてニッコリと微笑んだ。
こんな顔もするんだ。と少し大人びた表情を浮かべる弟の成長に驚かされた。
そんな会話をしてる間も時間は進んでいて、気付くとあと15分でお昼の部開演だった。
「よっしゃ!そろそろ行くか」
みんな緊張してるのがすぐ分かる。
肩とか力入ってる。
「がんばって!」
と背中にかけられた声は、蒼のもので、その声があまりにも穏やかで少なくとも私は安心したんだ。


