「……っくぅー…………」
視界が滲む。
涙が溢れ出す。
胸が苦しい。
息するのもやっと。
「……っふ………っく………」
わかってたはずなのに。
わかってたのに。
お兄ちゃんは私とは違う。
私を想ってるなんてことないのに。
だから、いつかは彼女ができるって思ってた。
わかってたのに。
どうして人は人を愛する?
どうして兄を愛した?
愛する気持ちは美しい?
いつからか私は愛されることも望んでいたのかもしれない。
そんな日がくるわけないのに。
夢見てた。
漫画なら、『実は兄妹じゃなかった。』
そんなハッピーエンドにもなっただろう。
だけど、現実は
そんなに甘くない。
血の繋がりはどうしても消せない。
一生、私たちは兄妹なんだ……。


