個人練習ってすっげーうるさいけど、でも、楽器持って4人が集まれば、本当にバンドっぽい。
麻緋はというと喉を慣らすように声を出してる。
今まで見たことないけど、多分学校に行きだしてから習ったのかも。
それに、声の出し方も前とは違って腹の底から自信持ってでてきてる。
ブレもまったくないし、やっぱり学校行ってるからなんだろうな。
すげーな。
ちゃんと自分のものにしてるじゃん。
麻緋の楽器は声なんだもんな。
ギターとかベースの音に負けんなよ。
そこで静さんが手を叩いた。
「よし!んじゃ合わせるぞ」
そういって、スティックを叩いてリズムを取る。
1,2,3,4……と慣らすと、急に激しいドラムの音。
そしてうねりを上げるギター。
ベースの早い指裁き。
3つの楽器が1つの音楽として出来上がる。
深く息を吸った麻緋。
「♪~」
時がゆっくり流れるようだった。


