「このバンドは同い年メンバーなわけだし、上下も左右もないわけじゃん?だから名前は呼び捨て、敬語はなし!!OK?」

「それもそうだね」

と則彦くんが拓斗に抱きついた。



「お前、離れろよ!!」

「スキンシップじゃ~ん!!」


「暑っ苦しいんだよ!」

「拓斗ってば、こわ~い♪」


「お前は敬語使ってろ!!なんかムカつく!」

「ひどっ!!」




これからどうなるかはわからないけれど、私たちのバンドに新たなメンバーが増えた。

1人はとっても静か。もう1人はとっても楽しい人だ。


正反対の2人が仲間になったのだ。






休憩として2階の休憩スペースで飲み物を飲むことにした。


「で、なんで俺がお前の分もおごらなきゃいけねーんだよ」

私と静にはおごってくれることになっていた拓斗だが、急に現れた則彦にもなぜかジュースをおごることになっていた。


「いいじゃん。僕だけおごらないとか寂しいし」

「お前列並んでねーだろーが」

「前のバンドで並んでたから」

「じゃぁ前のバンドに戻ってジュースおごってもらえ」

「ケチ!!」



とおごってもらったジュースを飲みながら口を尖らす則彦。




「おごってもらっといてケチはねーだろ?」

「あ~、それもそうだね。おいしいよ、ありがとう」

「ちぇ~」


とひとまず則彦と拓斗のケンカが終わったところで静が口を開いた。