汚レ唄



学校のスタジオが取れなくてもすぐ近くにスタジオハウスがあるのでそこで練習する人もいるらしい。


ただし専門学生は特別割引がきくけれどお金が発生するので出来る限り学校のスタジオを利用したいわけ。



だから授業が終わるとダッシュで管理室というのがこの学校のお決まりになっている。


今まではバンドとか考えてなかったから、管理室前の行列を尻目に帰宅してたんだけど、これからはこのお決まりにも参加することになるんだろう。



楽しみだなぁ。





「じゃあ、今日はここまで」
と先生の言葉を聞いて我に返った。


急いで片付けないと。

昼休みに拓斗くんからメールが来て、『最後にきた奴はジュースおごりだからな』と書かれていた。



それだけは死守しなくちゃ。

とエレベーターは人が一杯だったので階段で1階までダッシュする。




そこで静さんをみかけた。

静さんは余裕ありげに階段をゆっくり下りてる。



まぁ走るイメージがなかったけど、ダッシュ組の邪魔にはなっていた。





「お疲れ様」

「……あぁ」




とりあえず声をかけるがすぐに終了。