「ちょいと!!まだ話はおわってねーんだよ!!」
「もうそろそろ時間だし」
「お前が来るのギリギリだからだろーが」
「俺、関係ないし」
「関係あるある!!静、お前も俺のバンドに入れ!!」
「やだ」
「なんでだよ」
そこでチラリと私に視線がくる。
「?」
「俺、女とはバンド組まないから」
……私が女だから?
「は?お前なぁ、麻緋の歌知らないくせに」
「知らないけど女ってだけで甘えたり、すぐに根をあげたりするだろ?そんな根性のなさそうな奴と一緒にいたくない」
「お前なぁ~。とにかくこいつの歌を聴け。
絶対お前、自分から組みたいと思うようになるから。こいつの歌には力があるから」
「……まぁ、聞くだけなら」
「約束だからな。今日の放課後、ここに来いよ」
そのまま静さんは眠そうにあくびをして階段を上っていってしまった。


