「じゃあ……」と駅で別れて電車に揺られること数十分。
うとうとしてきた頃合いを見計らってアナウンスが流れる。
『次は〜××。』
私が降りる駅だ。
駅をでて歩いてると背後から声がした。
「麻緋!!」
この声は……
「蒼……」
学校帰りで顔中泥だらけ。
学校指定の黒のジャージの中もきっと泥だらけなんだろうな。
「……今、帰り?」
「うん」
「なんかあった?」
「え?!」
なんで蒼はすぐにわかるんだろう?
何にも言ってないのに、なんで分かっちゃうんだろう?
黙っていると蒼はクスッと笑った。
こんな笑い方もするんだ。


