横目でチラリと見ると、拓斗くんは口を大きく開けて呆然という言葉が似合いそうな様子でコチラを見ていた。
「……拓斗、くん?」
「……へ?」
「息、してる??大丈夫??」
「……おー。今んとこ生きてる」
「拓斗くんは歌わないの?」
「……あ〜。その前にちょっと、もう一回歌ってくんね?」
「え?いいの?」
ワクワク。
ゾワゾワする。
あの快感がもう一度味わえるなんて。
歌いたくて歌いたくてたまらないから。
歌うたびに歌で喉が潤っていく。
このイントロ……
ギターのうねりが最高。
「♪〜」
あ〜周りを気にしなくてもいいんだ。
歌いたいだけ歌っていいんだ。
気持ちいい。
ゾクゾクする。
満たされてるって実感する。


