「もし、血が繋がってなかったら、麻緋は、俺のことどう思う?」


「うん???」


麻緋の首が傾く。




「もし、俺と麻緋が姉弟じゃなかったら、麻緋は俺と付き合える?」

「……」




麻緋は俯いてしまった。



それは何を意味するのだろうか。






「もし、血が繋がってなかっても、蒼は弟だよ」

わかってたんだけどな。



そう言われるって分かってたんだけど、いざ言われるときついかも。




「……だよなぁ」

「うん。何言ってんの?」

「なんもない。聞いてみただけ」


「中……峰さん?だっけ??上手くいってないの?」

「別れた」

「なんで??」

「なんとなく」

「ふ〜ん」



……それきり、麻緋は口を閉じてしまった。





「今日も歌、しに行くの?」

それを聞くと、麻緋の顔が一瞬曇った気がした。


だけど、すぐに明るい笑顔が戻ってきた。



「今日はしないよ。オリジナル曲作ろうと思って」


そう言うとニカッと笑った。


オリジナルねぇ〜。




「そっか。でも行くときは言えよ?」


一応な。


着いてくるなって言われるだろうし、守りきる自信は全くないけど、でも着いていかないと俺が嫌だし。




「うん……分かった」


麻緋はそう言うと自分の部屋に戻っていた。


頬を離れた麻緋の手を名残惜しそうに見てる俺。


麻緋の熱を失った頬は本来あるようにひんやりとして頬を冷やした。