心の底から歌いたい。
きっと気持ちいいと思う。
目の前を大勢の人が埋め尽くす。
たくさんの人に自分の歌を聴いてもらって、たくさんの人を楽しませたい。
胸がドキドキドキドキと加速していく。
ドラムのリズムが体の奥底まで響いてくる。
体中に一定のリズムがドンドンドンドンと響きまわって、それと同じように心臓もドンドンドンドンと大きくなっていく。
喉の奥底がウズウズウズウズ疼いて、歌いたいと主張してくる。
声を出したい。
大好きな歌を歌いたい。
加速する心臓を右手で感じつつ、私は彼らの姿を一瞬でも逃さないようにずっと見ていた。
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