どこまでも続く灰色の空。
そういえば、雨は神様が泣いていのよと母に言われたことがある。
幼い頃。
1段2段と階段を下り空を見上げては溜息が出る。
もし、今、神様が泣いているのだとしたら、誰が神様を笑顔に変えるのだろう?
神様は1人で悲しみを乗り越えるのだろうか?
それって何だか寂しいな。
寂しいよね?神様。
誰かに話を聞いてほしくならない?
ずっとあなたは1人でいるの?
「……あの~」
「うわっ」
目の前にはいつからいたのか女の子がいた。
慌てて下を向いたから顔は見えなかったけど多分、この制服は隣の女子校生だ。
最悪だ。
女はすぐキモイだの、根暗だのうるさく言う。
だから嫌なのに。
今日は本当についていない。
「あのっ!メガネ……」
女はスッと両手でメガネを差し出してきた。
その動作に胸が熱くなるような優しさを感じた。
「……あ、ありがとう」
細く白い肌の腕が何だか眩しい。
僕は差し出されたメガネを取ろうと彼女の中にあるメガネを見、手を伸ばそうとした。


