「だったら、なおさら女としてみれないんじゃない?」
「あいつの優しさも嬉しそうな顔も、ムカつく顔も口うるさいところも……全てを含めてあいつ自身が好きだと思った。
他にどんな女を抱いても……どうしてもあいつ以上の奴なんていなくて……」
いつだって、どんな奴と付き合っても麻緋と比べていた。
比べては、麻緋以上の女がいないと実感させられた。
だけど、麻緋とはそういう関係になれなくて、だから溜まったものを他の女に吐き出した。
羽香が言うように、麻緋の身代わりだった。
「麻緋じゃなきゃダメな理由なんて俺がしりてぇ……」
だけど、どう考えても、俺の中には麻緋がいつもいた。
たとえ、もう会えなくても……。
「……蒼?!」


