「だって、麻緋は仕事が恋人なんでしょ?前、テレビでそう言ってたじゃん」
「あれは……TSUBASAだもん」
「TSUBASAは麻緋じゃん」
「そうだけど……」
「ほらほら、飲みなよ。今日は俺のオゴリなんだから」
苛めると本当に可愛い麻緋。
ずっとずっと手を伸ばし続けてきた。
だけど、いっつも朝日のように、キラキラと輝いて、俺だけのものではないことを思い知らされた。
太陽に手を伸ばすけど、絶対に掴めない様に。
麻緋に手を伸ばしても、掴むことは出来なかった。
羽香に振られ、麻緋は変わらず可愛くて、やっぱり大好きで。
でも絶対手に入らなくて。
何もかもが嫌になってしまうこともたくさんあった。
今日はもう、酔って酔って酔い潰れたい。
こんな現実を否定するように酒を流し込んだ。


