祐君はまた、手の甲で顔を目の下から半分隠すと、俯いてただ、静かに私の手を取って、歩き出した。



だけどね?

耳まで隠しきれてないよ。


真っ赤に染まった耳を斜め後ろから見て、なぜだかキュンっと胸が鳴く。



「ちょっ?!どこ行くの?」



見覚えのある景色。


どこに行くかなんて、本当は分かってる。





だけど、鳴きだす胸の音が妙に恥ずかしく感じて、必死で話しかけたかった。



急速に惹かれていく。





いつも傍にいてくれたアナタに……