汚レ唄



お母さんは
「そう」
と小さく呟くと、再びキッチンの方へと引っ込んだ。


「じゃあ、行ってきます」

後ろを向き、リビングのドアに手をかけたとき、
「今日は早く帰ってきなさい」
とお母さんの声が聞こえた。



振り返ると、お母さんは疲れた顔で笑うと、
「今日は、陽菜の好きなもの作るから」
と見送ってくれた。