笑うことをやめ、深い深呼吸をすると、那智の指が頬を離れた。
じんじんと熱を帯びた頬を手でさする。
「……私、待つことも出来なければ、隠し事も出来ないから、言っとくわ」
「?うん?」
那智はまた真剣な顔をして、ゆっくりと何かを思い出すように話し出した。
「陽菜が祐君の家で寝てるとき、祐君から電話があったの。
大輔に私の電話番号聞いてさ、かけてくれたんだよね」
‐―‐―‐―‐……
―‐―‐―‐―‐……
‐―‐―‐―‐―‐……
『もしもし?那智さん?俺、祐だけど。いきなり電話してごめん。大輔から番号聞いて』
「まぁいいけど。なんの用?」
『ちょっと、頼みたいことがあるんだけど』
「何?」
『うん……そのぉ……
あー!!どっから話せばいいんだろう?那智さん!どう思う?!』
「いや、全く何かわかんないし」
『ですよねぇ。
えっと、先ず最初に、陽菜ちゃんなんだけど、ちょっと色々あって、今、俺の家で寝てるんだよね』
「はっ?!寝てる?!ってどういうこと?」


