よく意味がわからない。
いや、その~……っと口ごもりながら、
「俺の父親、ちょっとテンションが人と違うっていうか。なんか空気が違うっていうか……」
だから~、えぇっと……と軽く冷や汗をかきながら、キミは俯いて言葉を探す。
つまりは、別に、私の図々しさに呆れたということではないってことでいいのかな?
多分、このドアを開けば、リビングなんだろう。
明るい灯りとハンバーグかな?
いい香りがココまで香ってくる。
「えぇっと、だから……
う~ん??なんて言えばいいのかな???」
「冷めちゃうから、早く入ったら?」
「うん。父さんの言うとおりだな。
とにかく、冷めるから、中入ろうかって……父さんはココでまってろって言ったろうがっ!!」
「だって、影だけ見えて、なかなか入ってこないんだもん!!こんなに焦らされたら、さすがに、誰でも見に来るって!!」
父さんと呼ばれた人はまさしく、祐君のお父さんなんだろう。
柔らかく笑う祐君とは違い、なんでも大きく飲み込んでいくような笑い方をする人だった。


