祐君は不思議そうに首を傾げながら、
「いや、俺こそゴメン。ここにご飯運べばよかったんだ」
と、何かを考えるように手で顎を触った。
そして独り言のように小さな声で、
「いや、でも、そうしたら……あれがあーなって」
と目をキョロキョロと動かしながら考えるキミが少しおかしかった。
「私、大丈夫だから。連れて行って?」
その声で我に戻ったようにこちらに向き、
「あぁ、うん」
と言って頭をかいた。
階段を下りる途中、祐君の表情は少しだけ曇っていた。
なにか心配事かな?
……っていうか、もしかして、私が図々しくご飯まで食べるから呆れたとか?
そうだよね。
なんか当たり前のようにご飯食べようとしてるし。
こんな子、ちょっと嫌だよね?
よくよく考えたら、おかしいかも!!
「あの!!私、やっぱり……」
帰るよと後に続けようとしたが、祐君の声がそれを遮った。
「あのさ!……中に、父親がいるんだけど、何があっても気にしちゃダメだから」
「んぁ?」


