汚レ唄



なんて心の中で考えてながら祐君をチラッと見ると、ヘヘへっと頬を赤らめて照れたようにキミは笑った。

そのとき、心の声がキミに届いてよかったって思ったんだ。





「俺の手料理で口に合わないかもしれないけど、ご飯出来たからついてきて」

「……ありがと」



ゆっくり起き上がると、目眩はあまり感じられないようになっていた。


あんなに血が流れたのに、全然平気みたい。



人間って、脆く出来てるようで、実はしぶといな。


ベッドから足を出し、地に足をつけた時、クラッときた。






さっきの言葉は撤回。

人間はやっぱり脆い。



「ぉおっと!!」

よろける私の肩を、力強く支えてくれる。





ひょろいひょろい男の子だと思ってたけど、意外と祐君は逞しい男の子だった。




祐君と一緒にいる時間が多ければ多いほど、気付かなかったキミの良いところがたくさん見つけられる。



「大丈夫?」

「うん。ごめんね……ふふっ」


耳元にかかる息がこそばくて、思わず吹き出してしまった。