汚レ唄



次に目を覚ましたときには、すっかり辺りは暗くなっていた。


部屋も暗いし、窓から見える景色も街灯がついていて、またあの、闇に呑まれていくような夢を思い出した。





帰らなきゃ。



でも

帰りたくないな。


顔を合わせづらい。





でも、いつまでも祐君の優しさに甘えてもいられないよね?


十分、祐君の優しさに甘えといて、本当、今更なんだけどさ。




でもキミにたくさんのパワーをもらえた気がするからさ。


家にも帰って、がんばってみるよ。





『コンコン♪』


「は、はい」


返事が返ってきたことを確認すると、ドアは勢いよく開けられた。


勿論、現れたのは、エプロン姿のキミの顔。






「…………エプロン?」

なんでエプロン?


綺麗な薄いスカイブルーのチェック模様のエプロンをしている祐君。


なんか似合う!!





なんていうか、
「優しいお父さんって感じ……」

「そう?」


……はぅああぁぁ!!

心の声が漏れてるから!!!





陽菜、しっかり!!

こんなことで、動揺してどうするの?!