汚レ唄


「なんか祐君が、“俺”って言うの変な感じ」


なんていうのか、聞きなれないせいかくすぐったい感じがする。




「……って言われてもねぇ。
家の中じゃいっつも“俺”だから、逆に家の中で“僕”って言う方が変な感じするんだよねぇ」


と肩をすくめてみせる祐君をみるけど、

う〜ん……やっぱり変。


…………ん〜?



「……陽菜ちゃん??
眠たくなっちゃった?」


なんだか、また瞼が重たくて、うつらうつらしていると、祐君は笑って立ち上がった。



……睡魔が襲ってきた。

「ご飯の時間になったら、また来るから。それまで寝てな」


部屋を出て行こうとする、キミの後姿を見送ってから、また私は深い眠りについた。


私が寝やすいように、気を使ってくれたんだろうな。




ねぇ?祐君。

私、少し意地悪なキミも

優しさの塊のようなキミも好きだよ?




安心することに変わりはないよ?



綺麗に包帯を巻いてくれたキミも……

おでこを意地悪に叩きまくるキミも……



どちらもすごく……