「陽菜ちゃん、約束してよ」
叩かれていたおでこは、いつの間にか撫でられていた。
「……?」
「もし、……またこうやって、切っちゃったりしたらさ、俺に手当てさせて」
「え?」
もう切るなって言わないの?
絶対切るなって言われると思ってた。
「……また、俺が、包帯巻いて、キミの傷を治したい。
キミの傷を俺が治したいんだよ。
いい?」
「……うん」
キミは、不思議な人だね。
本当に不思議な人。
優しいかと思えば、いきなり意地悪になって、
意地悪かと思えばとっても優しい。
どっちが本当のキミなの?
ううん、どっちもキミだよね。


