どんどん離れてく距離にもどかしさを感じて、近くにいる祐くんに怒りを感じる。
この手を離してくれれば、お兄ちゃんのところへいけたのに。
そしたら、また私のところへ帰ってきてくれたかもしれないのに。
「っ離してよっ!!
……キミはひどい人だね。なんで私の邪魔するの?!私のことなんかほっといてよっ!! 」
八つ当たりだってわかってる。
だけど当たらずにはいられない。
当たることでしか消化できないもどかしさ。
手が届きそうなのに届かない。
声が聞こえそうなのに聞こえない。
お兄ちゃんと私の間に何かフィルターのような壁があるようだった。


