汚レ唄



それは行くなってこと?
行っちゃいけないってことなの?



「なんで?行かせてよ!!
っ離して!!!!」



キミはお兄ちゃんのいる方を指さして泣きそうな顔をした。



祐君の指の先を追うと、そこにはお兄ちゃんがさっきとは違う、満面の笑顔で彼女と歩いてる。









「……い、やだ…………離れてよっ!!
お兄ちゃんから離れて!!
私のお兄ちゃんを返してよぉっ!!!!!!私のお兄ちゃんを返してぇ〜!!!!!」






その場でどんなに泣き叫んでも、お兄ちゃんには私の声なんか届かなかった……。
どんなにどんなに叫んでも。


どんなに声がかれるくらい叫んでも振り向いてもくれなかった。





どんなに手を伸ばしても届かなかった。