昔みたいに一緒に遊ぼうよ。
ねぇ?お兄ちゃん。
ずっとずっと遊ぼうよ。
そうだ。
前にね?作ってくれたビックリ箱、まだもってるんだよ?
あの頃に戻ったみたいでなんか嬉しいな。
学校から走って帰って、お兄ちゃんを待ってたあの頃みたい。
今度は何を作ってくれるの?
……目の前に不意に現れるテレビゲーム。
隣にいるはずのお兄ちゃんを見ると、少しさっきより大きくなっていた。
この時のお兄ちゃん、知ってる。
お兄ちゃんが中学生だった頃だ。
このゲームは……クリスマスプレゼントで買ってもらった、お兄ちゃんのゲームだ。
いっつも、冬休み中はお兄ちゃんとこのゲームしてたっけ。
お兄ちゃん、やたら強くて、私は負けっぱなしだったよね。
「ねぇ、お兄ちゃん。
今度は負けないからね」
お兄ちゃんに話しかけるけど、お兄ちゃんは一言も話さずにニッコリと笑った。
どこか寂しげに、お兄ちゃんは笑ったんだ。


