汚レ唄



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目を覚ますと真っ暗な闇の中にいた。


そこは寒くて暗くて、私の大嫌いな空間。




前も後ろもずっと続く闇の中、いくら歩いてもそれは変わらなかった。




歩くことを諦めて、その場に座り込んだ瞬間、


目の前に光が差し込んだ。



それは、天からスポットライトを浴びたように光が降り注いでいて、

その光の中に、見覚えのある幼い少年がいた。










「……お、にいちゃん」

かすれた声で、その人の名を呼ぶ。


だけど、お兄ちゃんは私に気付かずに、1人で遊んでいた。





座り込んだその場から立ち上がり、降り注ぐ光の中に手を入れると、光に触れている手だけが縮んでいく。


思い切って足を光の中にいれると、みるみるうちに足も縮んで、子供のような小さな足になっていった。





でも、中にいる幼いお兄ちゃんが楽しそうに笑ってるから。


だから、全身光の中に入ってみる。




身長も、何もかもが縮んでしまったけど、お兄ちゃんと一緒なら怖くないよ。