汚レ唄



─── 私はこの血を恨む。


─── 目が見えなくなればいい。


─── 耳が聞こえなくなればいい。


─── 口が利けなくなればいい。


─── 記憶がなくなればいい。




─── 覚めることのない深い深い眠りについてしまいたい。






「なんで、こんな想いしなくちゃいけないの?」







─── 墜ちていく……。



─── 時折感じる優しさに愛しさを感じる。






─── お願いだから、私のことを好きになってよ。




─── そんな自分勝手な優しさが好き。



─── 逃げたい





─── 逃げたい






「私の方がずっと!!
ずっとずっとずっと!!!

ずっと好きなのに!!
あの人よりも想ってきたのに!!!!
………なんで……」




だめだ。


目の前が……白く………



「……………なんで、わたしだけ……」


「陽菜ちゃん?!」



もう力が入んないや。


祐君、最後にキミに言いたい言葉があるんだ。


結局、最後までキミに迷惑かけちゃうね。





「ご……めんな、さい。

………あり…が………………………と」



「陽菜ちゃん?!陽菜ちゃんっ!!!」







─── 堕ちていく


─── 深い深い海の底へ……


苦しみのない世界へ……