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「……っはぁ…はぁ」
手を引かれて、たどり着いた場所は、公園だった。
しかも、学校からそんなに離れていない。
私、学校の近くに何があるか全く知らずに、知ろうともせずに通ってたんだな。
静かな公園。
人がまったく通らない。
さわさわと木の葉が揺れ、風が気持ちいい。
空は少し薄い水色に雲がまばらに浮かんでる。
「……こっち」
祐君はゆっくり手を引いてくれる。
公園全体を見渡せるように置かれたベンチに持っていたカバンを置いた。
「ブランコ乗ろうよ」
上品な笑顔。
こんな私にそんな顔見せてくれるの?
「……うん」
“ありがとう”
“ごめんなさい”
言いたい言葉があるはずなのに、どうしてだろう。
喉でつまって出てこない。
それなのに祐君は嫌な顔もしないで
「行こう」
って言ってくれる。
『ギィーギィー』
2人のブランコの音が重なり合う。
だけど言葉を交えることはなかった。
キミは今何を考えてる?


