「……大輔、那智さん。僕たち、ちょっと話があるんで」
そういうと祐君は手首ではなく手を繋いで走り出した。
「えっ??ちょっ!ちょっと!!」
私の声も聞かずに祐くんは走る。
「……いってらっしゃ〜い」
笑顔の那智に見送られ、私たちは駅を飛び出した。
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「なぁ〜……那智??俺、いまいち状況が把握できないんだけど」
「ようするに、もしかしたら、もしかするかもってことなんじゃない?」
「『もしかしたら』って何??わっかんねぇ」
「あんたは気にしなくていいのよ」
「気になるじゃん、那智〜」
「あ〜ウザイ!!
ほらっ!!帰るよ!!」
「……はいはい」


