「じゃあ言ってみろ。俺が好きだ、ってちゃんと言え」 ゆっくり近付いてきた俺様水野は、ばん、と音を立てて両手をテーブルに突く。 彼と椅子とで挟まれてしまった僕に逃げ道なんてなくて……。 「いや、その……」 「十流」 どうしてだろう。 俺様水野に名前を呼ばれると、それまで何ともなかったのに、急にどきどきしてしまう。 どきどきしすぎて、苦しささえ感じる。 ──僕が彼を『好き』だと言ってしまえば、少しはラクになるのだろうか。 それこそ、こいつの思う壷みたいで……でも……!