「……水野さんは、ズルいです」 思わず、そんな言葉が出ていた。 だって、本当にそうなんだ。 普段は嫌なヤツなのに、人を感動させることが出来るようなケーキを作ってしまう。 クリスマスまで、どれだけこの人が頑張っていたか知ってるから。 今、この人がどれだけ疲れているのかも、知っているから。 だから今は……何て、言うか……。 「……なんで、こんな事してるんですか」 「あ?」 俺様水野なんて、大嫌いなのに。 そんな気持ちすら、あやふやになっていく。 僕の心が、ささくれ立っていく。