もしも愛が嘘ならば



『でも、泣いてるっ』


「あ、…んー…なんで、だろう?」


作り笑いを向けると、小柄な看護師は優しく微笑みかけてくれた。


『梓ちゃん、本当に変わったね』


「…え?」


あ、この人。

担当医が変わったときに、伝えてくれた看護師だ。


『あの時は、本当に、本当に…ごめんなさい』


「…っ…」


深々と頭を下げられる。



『俺、廊下にいるから』