もしも愛が嘘ならば



「…そゆとこがぁー…ッ…ズルイ…っ」



『ズルイってなんだよ』


“コンコン”


『失礼します』


突然開いた扉に、驚きを隠せないわたし。


『…あっ…あッ…』


でも、わたしよりも遥かに驚いていたのは、病室に入ってきた小柄な看護師だった。



『あーお前か。なに?』


『なにって。…ちょっ…っ』



先生は、驚く素振りを一切見せない。



『梓ちゃんっ!大丈夫?…お…お、襲われたの?』


「…っ…いえ。なに…もっ」