もしも愛が嘘ならば




「…ぐすっ……分かっ…てる」


必死に強がって、唇を噛んで。

そんな自分が馬鹿みたいで。



「…でもっ、悲し…い」


『ん。ごめん』


「…せんせーの、バカぁ」


『ん』


「でも、好き…なのッ」



先生、なんでキスしたの?

好きじゃないなら…そんな素振り見せないでよ。



聞きたいことの全てを、胸にしまい込むのは悲しすぎるから。


…少しだけ、もう少しだけ。

先生の胸で泣いていたい。