もしも愛が嘘ならば




『…梓』


「…ッ…答え…なんてッ…いらないっ…」


『梓』


「…嫌ッ…いやぁ…聞きたくない」



手で耳を塞いで。

先生の言葉から逃げてしまいたいと思った。



『梓、聞いて』


そんな願いも儚く消えて。

簡単に手が離される。



『ありがとう』


ニコッと微笑む先生は、優しく涙を拭いてくれた。



『でも、ごめん』