幸せを壊すような不幸さえも。 笑顔に変えることが、できるのならば。 きっと、手を伸ばして。 背伸びをして。 必死に掴もうとするだろう。 「…先生、血」 『あー大丈夫』 俯いたわたしに、笑いかける。 『気にすんな』 でも今は、 先生の全てを掴んでしまいたい。 わたしの手で壊してしまいたい。 …それぐらいに、愛おしい。