案の定、バトンを渡そうとしてこけたナナは、その場に見事に倒れた。
「……バカ」
すぐに立ち上がり、落としたバトンを拾って渡したが、その後一瞬顔を引きつらせて膝を気にしていた。
――…
「ただいまぁ〜」
「お疲れー」
「なぁにこけてんだよナナー(笑)」
「アハ、ごめんごめん」
「ナナ、怪我は?」
「へ?あ〜、平気平気♪」
そう言って笑うナナ。
……嘘つけ。
「ちょっと来い、大食い」
こいつが出る競技はもうないはずだ。
保健室に連れて行こうと思い、ナナの手を引く。
「っへ!?どどこ行くの!?」
「いいから黙っとけ」
うるさいナナを連れて、俺は保健室に向かった。