「…………」


「悠希?」


反応のない悠希の顔を覗き込む。

やっぱり綺麗に整ってる顔…。


でもドキドキしてるのは、きっとあたしだけ。


「さっきの男に助け求めといて、俺に帰れって?」


「え?」


さっきのって…見てたの!?


「はぁー…何でもない。貸して」


ため息をついた後、あたしからシャーペンを取り上げた悠希。

スラスラっと簡単に問題を解いていく。


「出してくれば?」


あっという間に埋まったプリント。


「悠希すごいね!ありがとう!」


せっかくあたしがお礼を言ったのに、プイって目を反らして立ち上がった悠希。


「じゃあ帰るから」


一言だけ残して、教室を出て行ってしまった。

えぇー!?