「悠希くんも何であの子と付き合ってるんだろうね」


「ちょっとぐらいかわいいだけで、頭悪いし、スポーツも微妙だし」


女の子の会話は全部聞こえてるよ。

むしろ、聞かせるように言ってる?


「あ、コイツじゃね?」


「まじだ!お前さ、イチャイチャしたいんだろ?だったら俺らとどう?」


「ヒャハハ!」


何言っちゃってんの、このチャラ男。

あたしはアンタらとイチャイチャしたいわけじゃない。


「誰に何を言われても、あたしは悠希と一緒にいたいの!他の人は興味ないっ」


周りの人にも聞こえるぐらい、大きな声で断言した。

悠希にまで変な噂が流れるのは嫌だから。


そのとき、ポンッとあたしの頭の上に、大きな温かい手が置かれた。


「つーわけなんで、コイツにちょっかいかけんの止めてくれる?」