「何そんな暗い顔してんだよっ」


だって、そんなこと言ったって…。


「え?あれって悠希くんじゃない!?」


「嘘!あの話してるの誰?」


この大会ですっかり有名人になってしまった悠希。

いつもは歓声や声援には反応しないから、今はすごく目立ってしまってる。


「光!今日勝つからな!」


周りの目なんか全く気にしてない悠希。

こんなうれしそうな悠希見たことないよ。


「優勝したら光の好きなとこ行って、好きなことしような!」


「……本当?」


悠希が嘘つくわけないって分かってるけど、ムスッとした表情のまま聞き返す。


「もちろん!何がしたい?」


ずっとずっと願ってたことだもん。

考えることなく、大きな声で即答した。


「イチャイチャしたい!」