ガチャン


閉まる扉をただ黙って見守った。


「…………」


き、キャーッ!

また抱きしめられた!


二回目!

しかも今度は正気のときにっ!


今まで三ヶ月、何もしてくれなかった悠希が!




ヒューッ


屋上には冷たい風が吹き続けているけど、あたしの体はほてったまま。


もしかして悠希、少し不安になってたの?


自意識過剰かな?

あたし、悠希に好かれてる気がする…。


トクン…。


いつも通りでいいの?

サッカーの邪魔にならない?


不思議なぐらい、胸があったかい。


あたしの中にあった不安も、ふわっと消えて無くなった。