「光?」


うー!それ以上喋らないで!

ドキドキし過ぎて、死んじゃうかもー!


「ゆ、悠希のサッカーの邪魔しないように…大会まで我慢しようと思って」


「は?それだけ?」


あたしの答えを聞いた途端、ガバッと体を離した悠希。

目を丸く見開いて、ジッとあたしを見つめる。


それだけって…?


「はぁー…んだよ」


ポツリと一言呟くと、屋上の扉をガチャッと開けた。


「え?悠希!?」


あたしの呼びかけに、クルッと振り向くと……


「いつも通りでいいから。変に気遣われると、逆に調子狂う」


それだけ言い残して、頭をかきながら一人で階段を下りて行く。


何やってんだ…って独り言も、あたしにはもう聞こえない。