「つーか、教室でする話じゃねーし。これやるから光も戻れ」


ポイッと投げるように渡されたのは、ぽっかぽかのカイロ。

12月に入って、最近寒さが増してた。


「え?でも…悠希のでしょ?」


「今日間違えて袋二個開けたから。どーせ光はそんなの用意してないだろ?」


間違えてって…しっかり者の悠希が?


「……何ニヤニヤしてんだよ」


「えへへ♪ありがとうっ」


あたしのために用意してくれたのかもって考えたら、心まですごく温かくなった。

悠希はやっぱり優しい!


「じゃあ今度遊びに行こっ」


キスできないなら、もっとずっと一緒にいたい。


「……大会終わったらな」


「え!?いいの?」


今まで何度誘っても、答えはNOだったのに!


「大会が終わってからの話な」