「光、自分がモテること自覚してねーだろ。俺だって、何で俺なんかと光が付き合ってんのか謎だった」


「……は?」


意味が分からな過ぎて、声が裏返った。

悠希はどんだけありえない妄想してんの。


「光も他の女みたいに、イメージだけで俺が好きなんじゃないかとか…色々思ってたら何もできなかった」


聞こえる言葉が、本当に悠希から発せられてる言葉なのか分からない。


「光はいつも一定距離保って、中に入ってこようとしねーし」


「だって…サッカーの邪魔はしたくなかったんだもん。悠希のサッカーしてるときの表情が一番好きだから」


まさかそれで悠希が不安になってたなんて、これっぽっちも考えたことなかった。


てゆーか、さっきから……


「あたしのこと好きみたいに聞こえるよ?」


やっぱり自意識過剰かなって思った瞬間、ギュッて悠希の腕に力が加わった。


「気付くのおせーよ。つか俺、好きでもねぇ奴と付き合う程バカじゃないし」


「う、嘘だー!うわーんっ」


止まってた涙が、また勢いよく流れ始めた。