そして、ドアが閉まった音が聞こえた。 その途端、緊張の糸が切れた。 「…っ! …っく……」 沙希。 窓際のベットだから、よく見えるんだよ? 晴樹先輩と沙希が楽しそうに帰ってるの。 ここから、嫌なほど目に入るんだよ? 幸せ、だね…? 大事な用事って…デート、とか…? 「………ふぅ…っ……!」 次々に冷たい涙が流れ落ちる。 嫌でも、流れる。