いのり



見たところ、ミカはあたしよりも年上のようだった。

優しそうな顔をしているけれど、
どこか厳格さを隠し持っている、不思議な女性。


1104号室のドアを開けると、
家具や雑貨、日用品などがすでにセッティングされ、
ご丁寧に化粧品なども揃えられていた。


そして、Kが言っていた言葉を思い出す。


【リビングに黄色い時計がかけてあるはずだ。
時計の長針を12から反時計回りに一周し、
もう一度時計回りに一周させるんだ】


あたしは背伸びをして言われたとおりに時計の長針を回した。


すると、下の方で何かが音を立てて開いた。


白い壁から現れたのは、
腰の高さほどの鉄で覆われた倉庫。

BTTのシリアルナンバーを入力すると、
重たい鉄のドアがゆっくりと開いた。


そこにあったのは、

今までに使ったことのない、数々の“道具”だった。


『…どうしろっていうんだよ』