たった一人の男を殺すためだけの計画を、
K達は慎重に練っていた。
「お前にマンションの一室を与える。好きに使ってかまわない。
別室に一人BTTの人間を住ませる。
俺と何度も仕事をしてきた奴だ。信用していいだろう。
本部への連絡はそいつを通してくれ」
『はい』
「俺のコンピュータには、敵の組織の頭だと思われる人物のデータが揃えられている。
お前はターゲットと接触し、奴の父親の名前から個人情報をなるべく聞き出すんだ。
今回の計画は長期戦になるだろうが、頑張ってくれ」
そしてあたしは、車に乗せられた。
あたしの重大任務が、始まろうとしている。
