「疑いの可能性がゼロ以上であればすべて抹消する。
それが"BTT"だ」
BTT。
それがあたし達組織の名。
「今回のターゲットは、BTTと敵対する巨大暗殺組織の支配者の息子だ」
そう言ってKはタバコを吹かす。
「この仕事は今までのようにそう簡単にはいかないだろう」
『…こんな奴』
あたしはスクリーンの男を目いっぱい睨んだ。
「敵の組織を潰すためだ」
感情を捨てろ。
Kがそう言った。
組織を潰すことだけを考え、殺すためにターゲットに近づけ、と。
「感情を持てばすべてが終わる。お前の命がなくなるだけだ」
『…わかりました』
ターゲットNo.10984
―芳田 晴貴(ヨシダ ハルキ)
