いのり



『早く休みたいんだけど』

「悪いがその暇はない」


Kがパソコンに手を触れると、

背後の巨大スクリーンに次のターゲットが映し出される。


「次の仕事だ」

『…』


Kはあたしの顔を見て気味の悪い笑みを浮かべた。


『K…。こんな奴、あたしには殺せない…』


なぜだろう。

直感的にそう思ったのだ。


スクリーンに映し出された男の顔を見た時
なぜか恐怖心がにじみ出てきた。

その様子を見てか、
Kは突然引き出しから銃を取り出し、あたしの額にピタッとつけた。

銃口の冷たさが全身に伝わり、
思わずつばを飲む。


「指令通りに従え。死ぬぞ」


そう言って銃を離した。